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場所をメリー号へと打ちした彼らはロープで男を縛り、甲板へと座らせた。
手錠をかけられたルフィはぐったりとして意識もままならぬ状態の様だ。
「あんたには色々聞きたいことがあるけど、まずカギをよこしなさい。」
「渡すも何も、身動きとれないんじゃねぇ?」
「どこに持ってるのか言いなさいっていってんの!」
「あれ?それが人にものを頼む態度?」
捕まったというのに食えない態度のままの男に業を煮やしたのか、緑髪の男が立ち上がり近づいたたかと思うと剣の鞘で男の頬を殴り飛ばした。
その反動で男は倒れこみ、どこかを切ったのか口の端には血がにじんでいる。
ひぃぃぃ!ゾロ、乱暴すぎる!と半泣きで叫ぶウソップを無視してゾロは男の胸ぐらをつかんで睨みつける。
「勘違いすんじゃねぇぞ。うちのクルーの知り合いだか何だかしらねぇがお前は海賊に捕まった海兵だ。」
「・・・・・・」
「海賊に捕まった海兵、行きつく先はわかってんだろ?素直に言うこと聞いてれば悪いようにはしないんだがね。」
「っち」
「命が惜しいなら素直になった方がいいんじゃねぇか、海兵さん?」
「・・・思ったよりもやるね、麦わら海賊団。わかったよ。」
「・・・オレンジの女」
「あら、吐く気になった?」
「・・・カギは左足の靴の底だ」
「たく、最初から素直に言いなさいよね」
ナミは男の靴からカギを取り出し、ぐったりとしたルフィの手錠を外した。
「だぁ・・・助かった・・・なんかすげぇだるかったぞ」
「その手錠は普通のものより高濃度の海楼石でできている。能力者が口もきけないくらいのな。」
「ふーん、不思議石だな!」
「さて、海兵さん。目的っていっても私たちが海賊だからこんなことしたのよね。でも・・・それだけじゃないでしょ?」
「ん?なんでだ、ナミ?俺らが海賊だからこいつ手ェ出してきたんだろ?」
「いくら海賊が目の前にいるからって独りで挑むなんて無謀すぎるわ。よっぽどの身の程知らずにも見えないしね。」
「・・・はは、買いかぶられてんね。ただの身の程知らずかもよ?」
「海兵さん、あなたはそんなことする人じゃないわ。」
「ニコ・ロビン・・・会わねぇうちにずいぶんといい女になったな。」
「あらそう?あなたも見違えたわ、ずいぶん背も伸びたのね。」
「なんだぁ?こいつロビンの知り合いなんか?」
「アンタは黙っててねルフィ」
「昔この人に助けられたの、ただそれだけよ。」
「「「ええ!!!」」」
「俺はあんたを助けたつもりはねぇよ。」
「あら、ひどい。あなたとの夜を忘れたことなかったのに。」
「ロビン!てめぇ誤解を呼ぶようなことを!」
「ロ、ロビンちゃん!?まさかこいつと・・・!?」
「抱いてねぇよ!」
「レディの前で下品なこと言ってんじゃねぇよクソ野郎!もっとオブラートに包め!」
「いってぇな、このぐる眉が!海賊がオブラートとか言ってんじゃねぇよ!もしかしておまえ女抱いたこともねぇチェリー君ですか〜?」
「んだとこのヤロ!ラブコックの俺様に向かってなんつった、ああ!?」
「ちぇ・り・ぃ・く・ん」
「蹴り殺す!」
芋虫状態の海兵は床を転がり、這いずり回りながらサンジの蹴りを避けていく
その様子をウソップとチョッパーはやいのやいのとちょっかいを出しながら楽しんでいる。
ゾロはというと船長が解放されたのなら用はないというように離れた所で寝る体制に入っていた。
「ロビン、ホントにこんなやつが助けてくれたの?」
「ええそうよ、航海士さん。こう見えて強いのよ。」
「・・・そうは見えないけどね。」
「面白いやつだな〜よし!」
「ルフィ、まさか・・・」
ナミの制止を聞かずに、ルフィは海兵の方へと足を進めていき
転がっている海兵に向かって話しかける。
「おい、お前!」
「いてててて・・・あ?俺か?」
「お前俺の仲間になれ!」
「ルフィ!てめぇいい加減にしろ!あいつは海兵だぞ!」
「ししし、もう決めた!お前おもしれぇし、いいやつだ!」
「いくらなんでも海兵は無理だっての!」
「あははは!そういうところそっくりだ!」
「は?」
海兵はルフィだけ聞こえるような小声で告げた。
「モンキー・D・ルフィ、俺はあんたの爺さんに世話になってんだぜ。」
「じ、じいちゃん!?」
「ホントそっくりだな、あんたの一族は。」
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